お知らせ

お知らせ

南陵の森だより~9月の花、クズ~(2022.9.15更新)

9月になって、少し秋めいてきたのでしょうか。
今日は曇り空で、涼しく感じます。セミの声は聞
こえなくなり、ほかの虫の声が聞こえています。

南陵の森の中で草刈りがされていないところでは、
下草が育っています。

南陵の森を歩いていくと、今日はどこからでも甘
い香りがしてきます。その香りをたどってみると、
クズの花がたくさん咲いています。マメ科の植物
の花は特徴的で、すぐにわかります。クズは、根
からとったでんぷんが葛粉になります。茎からと
った繊維で織った布は、葛布と呼ばれます。秋の
七草のひとつでもあります。

ほかにも今日は、南陵の森を歩いていると、いろ
いろなマメ科の植物を見ることができました。マ
メ科の葉っぱは、3葉であることも多く、つる性で
ほかの植物に絡まっているものもいます。クズも
そうですが、紫色の花をつけるツルマメや、黄色
の花をつけるヤブツルアズキは3葉で、つる性の
植物です。アズキは、このヤブツルアズキを改良
して作られたものだといわれています。さやの形
は様々ですが、その中に豆が入っています。

マメ科の植物として、ほかにヌスビトハギと、人
の手が入ったところでは、外来のアレチヌスビト
ハギが花を咲かせ、次々と実を作っています。
この実は服にくっついてとれにくいので、やっか
いです。盗人が、忍び足で歩く足の形に果実の形
を例えたことから名前がついています。

同じようにマメ科で、果実が盗人の足の形になる
フジカンゾウも咲いています。ヌスビトハギ類と
ちょっと違うのは、葉っぱが5枚か7枚になるとい
うところです。花も少し大きいですね。

ナンテンハギは、花はマメ科特有の形をしていま
すが、葉っぱは少し変わっていて2枚からできて
います。

ネコハギも花はマメ科特有の形で、白色に紫色の
斑点があり、葉っぱは3枚、枝分かれして地面を
はって広がっています。

ムラサキツメクサは、牧草として明治初期に渡来
したものですが、葉っぱは3枚で、赤紫色の花が
球状に集まってついています。

カワラケツメイは、マメ科の中では少し花の形が
変わっています。葉は羽根状になっていています。

花の色は紫系、黄色系、白系が多いでしょうか。
紫色の花は、ツルボ、ナンバンギセル、タムラソ
ウなどです。


黄色の花は、キンミズヒキ、カラスノゴマ、アキ
ノノゲシなどです。


白色の花は、ヤマホトトギス、オトコエシ、ヒヨ
ドリバナなどです。


花が比較的咲いているので、ツマグロヒョウモン
やキタキチョウ、ベニシジミなどのチョウ類や、
コアオハナムグリに会えました。



あとは歩いていると、ジョロウグモが蜘蛛の巣を
はっていて、前に立ちはだかっています。

餌となる葉っぱは豊富にあるので、セスジツユム
シやアシグロツユムシなどにも会えました。

クズの甘い香りを感じながら、秋の花を観察しに
南陵の森を歩いてみませんか。