お知らせ

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南陵の森だより~8月の花、キツネノカミソリ~(2022.8.22更新)

「オーシンツクツク・オーシンツクツク」とツク
ツクボウシの鳴く声が響きます。アブラゼミは木
にとまっている姿が見られました。

いついっても南陵の森でよく鳴き声が聞こえる鳥
はガビチョウです。この鳥は、愛玩用の飼養鳥と
して入ったものが野外に定着したものです。声は
よく聞こえるものの姿を見つけてもすぐに木々に
隠れてしまうのでなかなか見れません。今日は姿
を現してくれました。

夏の南陵の森は、木々もその下草もよく茂ってい
ます。草刈りがされているところでは、下草の生
育が抑えられています。

草刈りがされることによって、花の時期によく目
立つのが、8月の花、キツネノカミソリです。早春
から葉を展開しますが、花の咲く時期には葉は枯
れてありません。ヒガンバナと同じ仲間ですが、
こちらは林縁や明るい林の林床に生育します。
オレンジ色の花が鮮やかですね。

南陵の森を今歩いていると、青紫色から赤紫色系
統の花が多くみられます。薄紫色の鐘形をした花
を多くつけるツリガネニンジンはかわいいですね。

青紫色の花が細く裂けている様子から、神社のし
め縄や玉串などにつける白い紙(四手)に似てい
ると名前が付けられたシデシャジンの花も咲いて
います。

青紫色の花を咲かせるアキノタムラソウは、秋と
名前が付きますが、夏から秋にかけて長く花を咲
かせる植物です。

赤紫色の花を咲かせるクズの花は、とてもいい香
りがします。

同じマメ科のマルバハギも、赤紫色の花を咲かせ
ています。

紫褐色の花を咲かせるホソバシュロソウも咲いて
いました。

夏に目立って花を咲かせ、甘い香りが漂うのはク
サギです。葉はもむとピーナッツのような匂いが
して、臭いことから名前がついていますが、花は
いい香りがします。

もう一つ目立って花を咲かせているのが、台湾原
産のタカサゴユリです。道路の法面などでよくみ
られますね。

花が多く咲いているので、今日はチョウもたくさ
ん見ることができました。一番目立ったのは、ア
カボシゴマダラです。黒っぽい色に白の斑紋と、
後翅の赤斑が目立つ美しいチョウですが、静岡で
見られるのは中国原産のものが放蝶によって増え
たものです。

ほかにツマグロヒョウモン、サトキマダラヒカゲ、
ヒメウラナミジャノメ、クロコノマチョウなどに
も会えました。



もう一つ会えたものといえば、アオダイショウで
す。本土の中では一番大きくなるヘビですが、目
はクリクリっとしていてかわいいです。

晩夏から秋にかけて咲く花は多いですが、長く咲
いているもの、すぐ咲き終わってしまうもの様々
です。鮮やかに今咲いている8月の花、キツネノ
カミソリを見に南陵の森を歩いてみませんか。