お知らせ

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南陵の森だより~種子や実をさがしながら歩きます~(2021.11.10更新)

秋になって、森の中の木々の葉は色づき、落ち始め
てきました。その木々の中をヤマガラやエナガが、
鳴きながら集団行動をしています。

秋に草原や森を歩くと服にいつの間にか種子がくっ
ついていませんか?植物は、いったん根づいてしま
ったら動けませんが、種子の時は旅をするのです。

種子に旅をさせる方法も植物それぞれです。ゲンノ
ショウコやカラスノゴマは、ぱちんとはじけて種子
が飛びます。

ヤマユリやウバユリの果実は裂けると、その中には
翼をもった種子が入っていて、風に舞います。


ヤマノイモやオニドコロの果実も割れると、翼をも
った種子が入っています。

アラカシなどのドングリは、種子に栄養がつまって
いて、発芽してしばらくは困りませんが、少し大き
いのでネズミ類やリス、カケスなどに運ばれて貯蔵
されたり食べられたりします。

アオハダやイヌツゲ、クサギなどの小さな実は、鳥
に食べられて、移動して糞として出されます。


芝生広場にはメリケンカルカヤがたくさんあって、
歩くと綿毛のついた種子が飛びます。ススキの綿毛
もふわふわになってきて、もう少しで風に飛んでい
きそうです。

クロヤツシロランなどのランの仲間の種子は、粉の
ような種子をたくさんつくり、風にもよく飛びます
が、栄養が蓄えられないので、旅に出てもどれだけ
発芽するでしょうか。

チヂミザサが生育している所を歩くと種子がべたべ
たするので、足にくっつきます。フジカンゾウやノ
ブキの種子にはひっかかるような毛があって、服に
くっつきます。




草原に多いのは、ひっつきむしの代表ともいえる
コセンダングサです。種子がくっつくとなかなかと
れません。こうやって人間や動物にくっついて旅に
出て広がるのです。

シダ植物は胞子で増えますが、胞子は飛ばされて広
がります。ヒメワラビの葉の裏を見ると、胞子がび
っちりついています。

今日は、オニグルミの葉に3種類のカメムシがいまし
た。エサキモンキツノカメムシ、チャバネアオカメ
ムシ、ツヤアオカメムシです。草原には、カナヘビ
やツチイナゴがいました。




種子は、いろいろな方法で旅に出ます。旅に出る様子
を観察しにゆっくりと歩いてみませんか。