お知らせ

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南陵の森だより~色づく葉・実をさがしながら歩きます~(2021.10.30更新)

涼しくなったためか、前回のようには虫の声も聞こ
えません。ガビチョウやヒヨドリ、ヤマガラなどの
留鳥の鳥たちの声が聞こえます。

そこに「ヒッヒッ、カッカッ」と特徴のある鳴き声
が聞こえてきました。冬鳥として日本にやってきた
ジョウビタキです。ヒタキの名は、鳴き声が火打石
をたたくような音に聞こえることから名付けられて
います。森に限らず、秋から春にかけて庭でも見る
ことのできる身近な鳥です。雄と雌では色が違って
区別しやすいですが、両方とも翼に白い斑点がある
のが特徴的です。

涼しくなって、富士山にも雪が積もるようになって
きました。数日前には真っ白であった雪が風に飛ば
されて少なくなってしまったようですね。

草も木も秋になって色が変わってきました。

ツタやタラノキ、ヤマハゼ、ニシキギのように葉が
赤く色づくものもあります。



コナラやクリ、オニイタヤ、ヌルデのように葉が黄
色く色づくものもあります。



秋に色づき、落葉するものであっても種類によって
は、緑色のものもあれば色づいているものもありま
す。同じ種類でも生えている場所によって色づきも
異なっています。

正月の縁起木で百両とも呼ばれるカラタチバナが、
赤い実をつけていました。

テンナンショウの仲間の実が、緑色からオレンジ色
へと変化しています。

紫色の実を付けているのは、実の美しさから「源氏
物語」を描いた作者「紫式部」に例えたムラサキシ
キブです。

黒っぽい青い実をつけているものもあります。シオ
デやウド、ホウチャクソウ、ヤブミョウガです。



リンドウのように大きい花や白い花をたくさんつけ
るサラシナショウマ、シロヨメナは森の中で目立ち
ます。


ホソバシュロソウのような紫褐色の花はあまり目立
ちませんが、草丈が高いので、見つけやすいですし、
観察もしやすいです。

一方、この果実を伸ばした状態では存在を確認でき
ますが、花の時期は高さが約2cmほど、花の色は褐色
で、土や枯葉と同化してしまうこの植物を花の時期に
見つけるのは至難の業です。クロヤツシロランと思わ
れますが、来年花の咲く9月下旬ごろにさがしたいも
のです。腐生ランのため、地上部に姿を現すのは約1
か月ぐらい、果実が縦に裂けた間からは種子がたくさ
ん入っているのが見えます。


南陵の森を歩くといろいろな発見があります。秋に
なって色づく葉や実の変化をさがしながら、ゆっく
りと歩いてみませんか。