11月になって、更に秋が深まってきた感じがしま
す。全体を見るとまだまだの感じはしますが、黄
色や赤色に染まった葉っぱが所々で見られます。
散った葉っぱもたくさんあって、地面には落ち葉
が降り積もっています。その上を歩くと、ガサガ
サと音がします。ホオノキのような大きい葉っぱ
の上を歩くのと、クヌギ、エノキなどの小さな落
ち葉の上を歩くのでは音が違っていて、秋の森歩
きが楽しくなります。
黄色に染まっているのは、クスノキ科のダンコウ
バイやクロモジです。
同じクスノキ科のヤマコウバシは、赤く染まって
います。この葉っぱは、この後枯れて茶色くなっ
ても枝に残り、春になって落ちます。
黄色の葉っぱといえば、オニドコロ、ヤマノイモ
の葉っぱも黄色くなっていて、丸いハート形、細
長いハート形をしています。
黄色の葉っぱは、緑色の中にあって目立つので、
一枚一枚の葉っぱの形も見てみると、いろいろな
形があることに気づかされます。ヤマグワの葉っ
ぱも黄色く色づいていますが、形がおもしろいで
す。
イロハモミジの葉っぱは、緑色のものもあれば、
黄色、赤色といろいろなものが見られます。
日の当たるところでは、早くから赤色に染まり、
日かげに生育しているイロハモミジは、まだまだ
緑色です。同じ一本の木でも、よく見てみると色
の変化があります。
赤くきれいに染まっているのは、ヤマハゼとツタ
です。羽根の形をした葉っぱは、ヤマハゼです。
ヤマハゼはかぶれる人もいるので、きれいに赤く
染まっていても気を付ける必要があるでしょう。
花は、秋の花が少し咲き残っているだけですが、
青紫色のリンドウやアキノタムラソウが咲いてい
ます。春に咲くリンドウの仲間もありますが、リ
ンドウの花が咲いているのを見ると秋を感じさせ
ますね。
白色の花は、シロヨメナやオトコエシ、ヒメジョ
オンが咲き残っています。ヒメジョオンは、5月
から咲き始めて、今も咲いています。花の中には、
このように次から次へと咲いて、長く咲くものも
あれば、すぐに終わってしまうものもあります。
黄色の花は、セイタカアワダチソウや、ヤクシソ
ウです。セイタカアワダチソウは、花が終わって、
名前の由来になっているように綿毛がふわふわと
した様子を見せて、泡のように見えるものもあり
ます。
赤い実をつけるガマズミや、ニシキギの葉っぱも、
赤く色づいています。
ナンテンやヤブコウジ、サルトリイバラ、フユイチ
ゴは、実は赤いものの、葉っぱは青々としています。
秋になって、朝、晩は冷え、日中は涼しい風が吹く
ので、昆虫はあまり見られません。シジュウカラや、
メジロなどの小鳥は、木の枝から枝へとせわしく動
いています。冬鳥のジョウビタキもやってきて、ヒ
ッヒッ、カカカと繰り返し鳴きながら動く姿が見ら
れます。
シカの足跡があるなあと思いながら少し先を歩くと、
3頭のシカが木々の間を歩いていくのが見られました。
葉っぱが少しずつ落ちてきて、枝から枝へ飛び回る
鳥たちの姿も見えやすい季節になってきました。
秋の森を歩きながら観察し、落ち葉を踏みしめなが
ら音も楽しみつつ、南陵の森を歩いてみませんか。