3月も中頃になると暖かく、木々はまだほとんどが
芽吹いていませんが、足元に咲く花や、花だけ咲
かせた木が所々で見られます。
今、南陵の森を歩いていて、今目の高さで見られ
る花で目立つのは、キブシです。葉が出る前に、
クリーム色の花が垂れ下がってつくので、ちょうど目
の前で見られます。
ほかに目の高さや、ちょっと見上げて見られる花は、
フジザクラとコブシです。フジザクラも葉が出る前に、
下向きにほかのサクラより小さな花をたくさんつけて
います。コブシは、少し大きくて目立つ白色の花を
つけています。
目線より下でそれでも足元より高く咲いているのは、
ウグイスカグラ、モミジイチゴ、オニシバリです。ウグイ
スカグラは下向きに淡紅色の花をつけ、モミジイチゴ
も下向きに白い花を咲かせています。2月にはほとん
ど蕾だったオニシバリは、3月になって満開です。
オニシバリは、ジンチョウゲと同じ仲間なので、いい香
りがしますが、花が開ききると香りは薄いようです。
ほかにこの時期匂いがするといえば、ヒサカキの花で
す。花は白くてかわいいのですが、沢庵のような匂い
がします。
南陵の森は、ほとんどがコナラなどの落葉樹の森な
ので、春はまだ足元まで日が差します。足元の植物
をよく観察してみると、いろいろなところで花を咲かせ
ています。中には春の短い期間しか見られない花も
あります。白い小さな花のセントウソウ、赤紫色の花
のジロボウエンゴサク、黄緑がかった花のシュンラン、
薄青紫色の花のタチツボスミレ、黄色の花のキジム
シロ、これらは気を付けてみないと見逃してしまいます。
ほかに草地でも見られる春を代表する植物、ツクシ
がにょきにょきと生えています。赤紫色のホトケノザ
や、ピンク色のヒメオドリコソウ、青紫色のオオイヌノ
フグリやカキドオシ、黄色のヒロハタンポポ、白色の
ミチタネツケバナやコハコベ、色とりどりの花が咲いて
います。
まだ、花は少ないので、チョウなどの昆虫類は、時折
飛んでいる姿を見せる程度ですが、これから花も生き
ものたちも活動し始め、いろいろな観察ができると思
います。南陵の森に春を見つけに行きませんか。