お知らせ

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南陵の森だより~2月の花、オニシバリ~(2023.2.8更新)

2月はまだまだ冬の真っ最中ではありますが、今
日は比較的暖かな日でした。南陵の森を冬歩くと、
常緑樹がところどころにあるものの、落葉樹が多
く、今は暖かな日差しが地面の上にそそがれてい
ます。見上げると、枝が広がっている様子がわか
ります。

枝の広がり方もよく見てみると、種類ごと違って
いて、横に広げたがるミズキのような木も見られ
ます。

2月になると花だけでなく、実も鳥に食べられたり
して、目立って目に付くものが減ってきます。散
歩をしながらそういうときは、いつも目に入れな
いものをじっくり見てみるのも楽しいです。

木の樹皮を観察してみましょう。ある程度の太さ
になると、特徴的になってよくわかるものがあり
ます。南陵の森はクヌギとコナラが多く、樹皮も
特徴的なので、わかりやすいです。クヌギは、樹
皮が厚くて不規則に深く縦に割れます。コナラは、
縦に不規則にある割れ目の間に白っぽい樹皮が帯
状に残ります。

ケヤキのように、太くなるとうろこ状にはがれて
いくものがあります。ヤシャブシやアカガシも、
太くなると樹皮がぺらぺらとめくれていきます。


建築材としてよく使われるスギ、ヒノキも樹皮で
区別がつきます。細かく裂けるのがスギで、粗い
のがヒノキです。

エノキの樹皮は、あまり特徴的でないのでわかり
にくいですが、大きい木ともなると、下にはたく
さん葉が落ちています。これも手がかりとなりま
す。エノキの葉っぱは、縁のギザギザが上の方に
しかありません。ホオノキの葉っぱは、木の中で
一番大きく、まわりにギザギザはありません。


冬で花はないといっても、もうそろそろ咲きだす
のではないかとさがしてみると、緑の葉っぱをつ
け、背丈が低いオニシバリが蕾をつけています。
日当たりや各株によって花の時期は少しずつ変わ
るので、咲いている花はないかと探してみると、
1株だけ見つけることができました。黄緑色の花
なので、目立ちませんが、ジンチョウゲと同じ仲
間なので、よい香りがします。

アオキは、実が緑色の株もあれば、赤くなってい
るものもあり、蕾をつけている株もあります。


南陵の森は静かですが、時折枝から枝へせわしく
動きながら鳴く鳥や、幹をくちばしでつつくコゲ
ラ、地面を歩いて枯葉をガサゴソとさせる鳥がい
ます。冬の間は、昆虫たちもほとんど見ることが
なく、植物の実もほとんどない中、鳥たちは何を
食べているのでしょうか。

猛禽類に食べられてしまったのでしょうか。鳥の
羽根が散らばっています。

ムラサキシジミが、地面にそっと横たわっていま
した。

春は待ち遠しいですが、冬の間しっかりと休みな
がら少しずつ動き出している様子も感じます。寒
い冬を生き抜く生きものたちを探しに、南陵の森
を歩いてみませんか。