お知らせ

お知らせ

南陵の森だより~冬探しをしながら歩きます~(2021.12.07更新)

イロハモミジが黄色から赤色に色づき、まだまだ秋
の紅葉がとてもきれいです。

森の中は、黄色や赤色、茶色の葉に色づくものや、
葉が落ちて枝が目立つようになってきました。そ
して、見上げると、葉で覆いつくされていた空が
見られるようになってきました。

これから寒くなる冬に向けて、植物たちが準備をし
ている様子が見られます。紅葉もこれから冬を迎え
る落葉樹が、葉を落とす前にみられる冬越しの準備
なのです。

枝先を見てみると、春の芽吹きのための枝や、葉、
花のもとになるものを寒さや乾燥から守るために冬
芽ができています。冬芽は、葉の変化した「芽鱗」
と呼ばれるうろこのようなもので守られています。
ゴンズイやミズキの冬芽は赤っぽくつややかです。
ナラガシワ、シロダモの芽鱗は重なり合っています。
早春に花を咲かせるクロモジの花芽はまん丸ですね。
冬芽の形も色々あって、観察していると楽しいです。




秋に果実をつけるものは、種子でも冬越しをします。
セイタカアワダチソウは今、綿毛がふわふわとして
いて、名前の通り泡のようです。ススキの穂の毛も
開いてふわふわです。もう少ししたら、風に飛ばさ
れて親元から離れることでしょう。

オニドコロの果実の中には、翼がついている種子が
入っていました。モミの木の周りには、果実がばら
ばらになった扇形の種鱗が落ちていました。親から
離れて冬を越し、春になったらどれだけが芽吹ける
のでしょうか。


秋に果実をつけるものが多い中で、秋に花を咲かせ
冬に赤く熟すフユイチゴの実が見られました。

地面近くではオオバジャノヒゲの実が色づいていま
す。

ハダカホオズキの実は赤く、つややかです。


草が茶色く、枯れてきている中で、地面に平たく花
のように葉を広げ、ロゼットになっているものがあ
ります。そのうち、ハルジオンやヒメジョオン、メ
マツヨイグサなどは冬の間だけ、ロゼットの形をと
ります。葉を重なり合わないように広げることで、
冬の寒さに耐え、太陽の光を一杯浴びることができ
ます。


一年中ロゼットの形をとるタンポポやブタナ、オオ
バコなどは、地面に平たくなることで、風で倒れた
り、人に踏まれても折れにくく、草刈りが行われて
も生き残りやすくなります。


もう、虫の声は聞こえず、姿もあまり見られません。
成虫で越冬するオオホシカメムシに会いましたが、
動きはゆっくりでした。草むらでは卵で越冬する
オンブバッタに出会いました。

エナガなどの鳥たちも、寒い冬を越すために枝から
枝へとせわしなく飛び回り、エサを探しています。

これから寒くなっていきますが、秋から冬へと変化
する様子をさがしに歩いてみませんか。