お知らせ

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南陵の森だより~夏の森にも秋の気配を感じます~(2021.8.23更新)

セミの声を聞くと、夏を感じますね。今日
もアブラゼミが大きな声で鳴き、ニイニイ
ゼミやツクツクボウシなども鳴いていまし
た。


セミは樹液を吸いますが、チョウの中にも
樹液を吸うものがいます。今日は樹液を吸
うルリタテハやアカボシゴマダラ、花の蜜
を吸うダイミョウセセリやモンキチョウに
会いました。アカボシゴマダラは中国大陸
から人為的に持ち込まれた外来種で、春に
みた個体と違って今は名前の通り、赤斑が
目立ちます。



夏の森は季節の中で一番緑が濃いですが、
その中になぜか茶色の枯れた葉をつけてい
る木があります。幹や根元を見ると小さな
穴や木くずが落ちています。これはカシノ
ナガキクイムシが幹に入り込み、病原菌で
あるナラ菌を増殖させて水の吸い上げ機能
を阻害して枯死させているのです。南陵の
森では枯れたコナラの木が何本か伐られて
います。



今日は歩いていると白い花が目立ちました。
よく道端や法面などで野生化している台湾
原産のタカサゴユリの花が咲いています。
葉っぱが臭いことから名付けられたクサギ
が、よい香りのする花を咲かせています。
つる性のセンニンソウやヤマノイモ、強く
丈夫そうに見えることから名付けられた
オトコエシ(男郎花)が小さな花をたく
さん咲かせています。




淡紅紫色のキツネノマゴ、淡紅色のヌスビ
トハギ、フジカンゾウが咲いています。




そうはいっても、キツネノカミソリやナン
バンギセル、ミズヒキなどの赤系の花も咲
いています。キツネノカミソリには花の時
期には葉っぱがありません。葉っぱは早春
に伸びだし、夏になると枯れてそのあとに
花が咲きます。ナンバンギセルは寄生植物
で、花の形がキセルに似ています。ミズヒ
キは紅白の水引のような花を咲かせます。


春に花を咲かせ、実をつけていたものが少
しずつ熟し始めています。ウワミズザクラ
やミズキは赤色から黒色に、アオハダは赤
色になり始めています。ゴンズイの果皮は
赤くなり、イロハモミジの葉は少し赤く色
づいています。




まだまだ暑い毎日が続きますが、秋の気配
をさがしに森を散歩してみませんか。