年の瀬が迫る12月11日(水)に、『企業の森づくりセミナー&懇親会』
を開催しました!
"企業が森づくりに関わるメリットって、いったいどんなところにあるの
だろう?"をテーマに開催している「企業の森づくりセミナー」。
今回はTDKラムダ(株)の経営企画本部長の関本和彦さんをお招きし、
「TDKラムダの取組みー森づくり活動とその効果」と題して、ご講演頂
きました。
セミナーにご参加いただいたのは、南陵工業団地に進出した
(株)アマダホールディングス、エリエールペーパー(株)、
(株)サトウ静岡工場、(株)佐藤工機、三生医薬(株)南陵工場、
ダイオーロジスティクス(株)、東洋カプセル(株)富士山工場、
富士設計(株)、富士宮通運(株)の9社から総勢28名の皆さん。
これまで開催してきたセミナーで、一番の大入りです♪
最初にFSPJ理事長の山田辰美からの挨拶後、「TDKと聞い
て"ああカセットテープの会社"と思われた方は往年のファン
です」との発言を皮切りに、関本さんのご講演がスタート。
まずは会社の概要についてご紹介があり、続いてTDKラムダ
が長野県信濃町に有する社有林「TDKラムダの森」で10年以
上にわたって、どんな取り組みが行われているかについてご
紹介を頂きました。
地元のNPOに森林整備を委託することで、地域貢献をしながら
森の整備が進んだこと。また地元の特産品であるブルーベリー
等農産物の物販などを後押しし、信濃町が進めている癒しの森
事業へ協賛も行っているとのことでした。地域にとっても、とても
心強いパートナーですよね。
その中でも、特に年5回にわたり、新入社員をはじめ職員を
対象とした研修を行っているという事例が報告されました。
新入社員研修では、一般的なビジネスマナー研修の時間も
あるとのことでしたが、その他には「TDKラムダの森」に入って、
間伐したり、それを運んだり、橋をかけたりする共同作業を取
り入れているとのこと。また地元の人から教わってのそば打
ち体験もあるのだとか。
このような研修を続けてきた結果、"職員の離職率が減った"と
いう副次的な効果があがっているという関本さんのお話には
驚き!
世の中的には、新入社員の歩留まりが3年間で3割といわれる
中で、研修を始める前は約12パーセントだった3年以内退職率が、
森での研修を始めてからは、3年以内に退職した人は1人だけに
なったとか。
「もともと離職率の低い会社でしたが、それでも成果は明らか」
と関本さん。
ではなぜ、研修に森の中での体験を取り入れた結果、このよう
な成果があがったのでしょうか?
その要因として、関本さんがあげられていたのは以下の4点。
*「社員の同期の中で絆が生まれること」、
*「力を合わせるということが作業の中で体感できること」、
*「相互のコミュニケーションを通じて、自分の課題などが相対
化できること」
*「森林セラピーの手法が紹介され、ストレスに対応する具体的
な手立てを身に着けることができること」
ただし、実際に企業活動の中に森づくり活動を取り入れていくのは、
とても難しいことであることに触れられ、最後に「いかに会社の"業"
の部分と接点をもてるか」という会場へのメッセージを頂き、講演が
締めくくられました。
企業の方から企業の方に向けての言葉に、重みがあります。
ご講演後、今度は大成建設(株)の渡邊篤さんより「富士山南
陵工業団地における森の再生」と題して、10年前にどんなこ
とを考えて木を植え、その結果10年後どうなっているのか、
というモニタリング結果のご紹介いただきました。
前半のセミナーを終えて、後半は進出企業同士の交流を目的
とした懇親会に突入。わきあいあいの雰囲気の中、最後に、
東洋カプセル(株)富士山工場の工場長で、FSPJの理事も務め
ていただいている海老原栄一氏より、まとめの言葉を頂き終了
しました。
今回のセミナーをまたひとつのきっかけに、南陵の森での森づ
くりの輪がさらに広がっていくと嬉しいです。